♪ 空にさえずる 鳥の声
峯(ミネ)より落つる 滝の音
大波小波 とうとうと
響き絶やせぬ 海の音
聞けや人々 面白き
この天然の 音楽を
調べ自在に 弾きたもう
神の御手(オンテ)の 尊しや ♪
♪ 春は桜の あや衣(ゴロモ)
秋はもみじの 唐錦(カラニシキ)
夏は涼しき 月の絹
冬は真白き 雪の布
見よや人々 美しき
この天然の 織物(オリモノ)を
手際(テギワ)見事に 織りたもう ♪
作詞、武島羽衣。作曲、田中 穂積。1905年(M.38)
沖縄の島歌の名手、大工哲弘が歌う「美しき天然」。録音は1996年。20世紀初頭に作られた歌をその世紀末に歌っている。バックでは梅津和時、中尾勘二、大熊亘といったクセモノ達がチンドン的なにぎやかさで哀愁のメロディーを奏でる。他には高田渡の「生活の柄」、おなじみの「ゴンドラの歌」そして「インターナショナル」など。沖縄人、大工哲弘が振り返る20世紀流行歌全集といった趣き。アルバムのタイトルは「JINTA INTERNATIONALE」だけれども歌詞は「JINTANATIONALE」に聞こえてくる。
「美しき天然」の続きは
♪ 神のたくみの 尊しや
うす墨ひける 四方(ヨモ)の山
くれない匂う 横がすみ
海辺はるかに うち続く
青松白砂(セイショウハクサ)の 美しさ
見よや人々 たぐいなき
この天然の うつし絵を
筆も及ばず かきたもう
神の力の 尊しや ♪
♪ 朝(アシタ)に起こる 雲の殿(トノ)
夕べにかかる 虹の橋
晴れたる空を 見渡せば
青天井に 似たるかな
仰(アオ)げ人々 珍(メズ)らしき
この天然の 建築を
かく広大に 建てたもう
神のみ業(ワザ)の 尊しや ♪