上野の国立博物館でダ・ヴィンチ展が開かれていることもあり、下準備のつもりで読んでみた。期待が大きかったせいもあるが読後感はかなりもの足りない。まず冒険活劇風のストーリー展開が大味。始めからハリウッドで映画化することを前提に書かれたようで、まるで第二のインディ・ジョーンズだ。人物設定もステレオタイプ。
謎解きの中心はマグダラのマリアの存在だけれども、たとえば仏陀(シッダールタ)には出家する前に妻も子供もいたわけで何も隠す必要などはないと思うのだ。信仰心にとってはそんなことはどうでも良いことではなかろうか、と東洋の無宗教人は思う。