麦踏みをしたのはいつのことだったろう。寒気の朝、霜柱を踏んでザクッザクッザクッ。土も草も霜で真っ白。朝日を浴びて吐く息までキラキラ輝いていた。思えば約半世紀前のこと。 このごろ自転車で走っているとところどころに忘れられたように生えている麦を目にする。人の手で植えられたものだとは思うが、手入れがあまり行き届いてないところをみると換金作物ではなく自家用なのだろう。いまどきは麦踏みなどは不要のはず。