演技と呼べそうなものはほとんどなく、ひたすらことば、ことば、ことば。ことばの洪水。しかもフランス語。字幕で対訳が出てくるが文字を追っていたら舞台が見えないし舞台を見ていたらすじがつかめないというジレンマ。観客にも相当な集中力が要求される芝居だった。
ことばで何かを伝えたいという情熱。多少のとまどいはあってもそれはしっかりと受け止めねばならないだろう。
死んだ人はみんな言葉になるのだ、と言ったのは寺山修司だったか。
ひとつのことばが生死を分けることもある。しかしアウシュビッツでもルワンダでも本当に恐ろしいのはことばが通用しなくなることなんだな。人はことばで生きている。
第二部のコンサートは完全なオマケ。まるで出演者、スタッフの打ち上げを見ているようだった。ただその中でも土取利行さんのパーカッションはひらめきに満ちていてシャープ。これからもまだまだ活躍してくれることだろう。
運営(主催は大野一雄舞踏研究所)に関しては?マークが10個くらいつくが松本のHさん夫妻にも会えたし土取さんとも話ができたので個人的には満足。5月最後の日曜日はこうして刺激的に過ぎていったのだ。
投稿 : shuzo MARUTA : 2008年05月28日 23:48