昼過ぎに電話のベル。プルルル、、、
「はい、丸田です。」
「あー、こちら品川警察です。私、刑事課の田中みのるですが、丸田秀三さん、本人ですか?」
「あ、はい。」(な、何ごと?ドキッ!)
「OO銀行とXX銀行に口座を持ってますね?」
「はい。」
「実は詐欺グループを摘発したんですが、彼らの持ち物の中からあなた名義の預金通帳が2冊出てきたんですよ。それぞれ1000万ほどの残金があるんですが、これについて心当たりがありますか?」
「いや、ありません。」(そんなおカネ、あるわけないだろ。でもあったらうれしいけど)
「一応盗難にあってないか確かめてくれませんか?」
「はい。」といって引出しをガチャガチャ探したら二つとも出てきた。
「通帳もカードもあります。」
「そうですか。やはり彼らが偽造したもののようですね。振り込め詐欺の入金口座に使われていたようですね。個人情報を盗んで簡単に作られてしまうんですよ。最近公共料金の領収書などがポストから盗まれたようなことはありませんか?」
「さあ、ちょっとわかりませんが。」
「そうですか。それでは一応この二つの口座については銀行協会を通じて凍結処理をしてもらいます。千代田区丸の内1−3−1全国銀行協会 電話は0505-532-7053です。私のほうからFAXを流しておきます。」
「よろしくお願いします。」
5分ほどしてまた電話。プルルル、、、
今度は女性の声
「こちらは全国銀行協会です。わたくし近藤と申します。さきほど品川警察からFAXが送られてきまして、お客様名義の銀行口座の凍結を依頼されました。つきましてはお客様のこの2行以外の銀行口座についても数日の間利用を停止していただいて調査したいと思います。」
「????」
「これ以上被害が出ないようにするためにどうかご協力ください。このほかに現在お取引のある金融機関は、、、」
「あの、すいませんが、全国銀行協会の近藤さんでしたね。」
「はい。」
「東京なのに電話番号が0505で始まるのはどうしてですか?」
「こちらはインターネット回線を利用してますのでこの番号です。」
「わかりました。こちらから折り返しかけなおします。」
インターネットで調べたら全国銀行協会は確かにあった。住所も同じ。ただ電話番号は違っていた。電話したら今日は土曜日でお休み。やはりそういうことか。
品川警察署にも電話してみた。
「こちらの刑事課に田中みのるというものはおりません。」とのこと。
「最近この手のオレオレが増えてるんですよ。」だって。
息を呑む展開。少しドキドキしました。
オレオレ詐欺劇の主役は、どうやって選ばれるのでしょう。それを考えると、不気味ですね。
どうせならもっとお金持ちを狙えばいいのにねえ、とは思いましたが、彼らのほうでも情報量に限りがあるんでしょう。
以前聞いた話では相手先の家の内情をかなり詳しく調べた上で仕掛けてくるとのことでしたが今回のグループはその点ちょっとお粗末だったかな。まあ二流、三流のチームではなかったかと思います。おかげで笑い話にも出来ますけどね。