丑年2

 別に意識していたわけではないけどいつの頃からか牛肉を食べてない。なにもヒンズー教徒というわけでもないのになにか引っかかるのだな。すき焼きもステーキも確かにおいしい(というか美味し過ぎる)ので目の前に出されれば当然有り難くいただく。でも自分から進んで食べるということはこれからもないような気がする。
 ついでに言えば牛乳もヨーグルトも久しく食べてない。パンを焼くのにたまに500㏄入りの牛乳パックを買うくらい。乳製品よりも味噌や納豆のようなドメスティック伝統食のほうが体質に合ってるみたいなのだ。

丑年

 今年は丑年なんだな。牛で思い出すのは藤原新也の「ノア―動物千夜一夜物語」に登場するベナレスの牛の話。ガンジスの岸辺へ向かう道の途中で出会った一頭の牛との出会いと祝福。数十年前に訪れたベナレスの情景がまざまざと思い出されて感動的だった。たしか芸術新潮に連載していたものを一冊にまとめたものだったと思う。検索したら「印度動物記」というタイトルで文庫にもなっている。