出羽の雫
数年ぶりに飲む出羽の雫。十数年の流れの中で杜氏が変わり、酵母が変わり、日本酒を取り巻く環境も変わった。味は麹のふっくらした香りの中にきりっと酸味が加わった独特なもの。正直言うとバランスは良くないと思う。この酒の目指すところが見えてこない。初期の出羽の雫は人の掌のような温かさがあった。時の流れはこの酒にさえも一種の「個性」を要求しているのか。もしくは出羽の雫の役割はすでに終わったと言うべきなのか。この酒を支えてきた人々の情熱もまた消えてしまったのか。そうでないことを祈りたい。
投稿 : shuzo MARUTA : 2004年01月24日 23:59