20年ほど前だったか、サーフィンに挑戦したことがある。陸のほうから見ているぶんには気楽な遊びくらいにしか思えなかったので、初めは軽く考えていた。ところがこれが大間違い。板の上に腹ばいになるだけでも一苦労。ましてやその上に立ち上がるなどというのは至難の業。足を乗せたとたんにつるんと氷の上をすべるように落ちてしまう。おまけに大波小波ザブンザブン。あれでよく溺れなかったものだ。
それまで運動神経はいいほうだと自負していて、どんなスポーツでも一通りはすぐにこなせたものだがサーフィンだけは違った。地球を相手にするスポーツ。ごまかしはきかない。
今日の海は静か。河口付近のわずかな波を求めて多くのサーファーが夕暮れまで集まっていた。