朝起きてみればこの冬初めての銀世界。空気が湿っぽく冷たい。
節分から立春にかけてのこの時期は入学試験の季節でもある。思い起こせば今からン十年前、大学受験のためにこんな雪の中を歩いた憶えがある。聖蹟桜ヶ丘の叔父の家に泊めてもらい、そこから電車やバスを乗り継いで三鷹のICU(国際基督教大学)へ行ったのだな(私、キリスト教徒ではありませんが)。正門前の銀杏並木が真っ白く雪に覆われていた。
肝心の試験はというとニーチェの「悲劇の誕生」が出てきた。本の中の1章にも及びそうなほどの文章を読んで、そのあといくつかの設問に答えるというもの。キリスト教系の大学だったのでキルケゴールは予想していたがニーチェが出てくるとは思わなかった。試験の最中は図書館で読書しているような気分になり設問に答えるどころではなかったな。ここが第1志望だったんだけど結果はもちろん惨敗。2月はじめの雪の朝はこんなことも思い起こさせる。