コンヤでは見ることができなかったメヴレヴィー教団のセマー(旋舞の儀式)をイスタンブールで見ることができた。15人ほどの楽団のゆっくりした歌とメロディーに合わせて舞手(修行僧)がぐるぐる回っていく。右の手のひらは上(天)に向け、左は下(地)、頭はわずかに右に傾けている。回り方は左足を軸にして一回転づつ、回転の方向は上から見て反時計回り。
回転とともにスカートがたなびき、大きな花がいくつも咲いたように華やぐ。見ているぶんにはアイススケートのようでもあり、あるいは遊園地のメリーゴーラウンドのようでもあるが舞手のほうは目を閉じて没我状態。日本でいえば空也上人、一遍上人が広めた踊念仏に近いのではないかと思われた。ちなみに開祖のメヴラーナ・ジェラレディン・ルーミー(1207〜1273)は一遍(1239〜1289)と同時代の人。