乗務員は運転手の他に車掌が二人(たいていは男)。客は赤ん坊から老人まで年齢も身なりもさまざま。スーツ姿のビジネスマンもいれば二人分の座席に子供3人と大荷物を抱えて乗り込んでくる母親もいる。座席は満席のことが多く、外国人はめったにいない。ただ日本人と分かれば好意的な反応を示してくれる人が多いので、その好奇な視線に耐えられる限りはラクかな?
問題は休憩。個々のバス会社は独自の休憩所を持っていて、そこでしか休憩を取らない。そのため間隔が長く、昼間で3時間に一回程度。夜行の場合は5時間に一回ということもあった。
鉄道が発達していないトルコでは代わりにバス路線が充実している。バス会社の数も多く、過当競争のためか意外とサービスもいい。走っているのはほとんどがベンツのリムジンバスで座席も指定。車内ではお茶やお菓子も出る。
土産物屋にはさまれて革職人さんの店。アップルティーを飲みながらトルコ語辞書を片手に身振り手振りのコミュニケーション。もどかしさを感じつつも楽しいひととき。作っているのは馬具からベルトまでいろいろ。窓際に並んでいるのは銃のホルスター。誰が買うのかな?
サフランボルは職人の町でもある。道路がわずかに広くなった一角に6軒ほどの鍛冶屋が集まっていた。作っているのは鍬やナタなどの農具を中心に鍋や蝶つがいなどの家庭用具も。中を覗いたら気持ちよく見せてくれて写真も撮らせてくれた。デジカメだと撮った写真をその場で見せられるのがいい。
昼下がりのパン屋の店先。午前中はにぎやかな店も午後になれば静か。この小さな集落にこんなパン屋が3軒もあった。
焼かれているのはなぜかフランスパンばかりでしかもこれがうまい。さらにトルコではどこのレストランへいってもパンはタダ。好きなだけ食べられる。その理由は郊外へ出てみれば分かることだが、広大な国土に見渡すかぎりの小麦畑。トルコは農業国なのだ。
丸瓦だけで組まれた屋根。形も一定ではなく色もまちまち。おそらく始めに円筒形を作り、それを縦に切って焼いたものだと思う。焼き色から見て窯の効率も悪そうだ。しかしそのぶん手作り感はたっぷり。計画性のない並べ方にも味がある。
イスタンブールから長距離バスで7時間。サフランボルはアンカラの北、黒海沿岸に近い山間の町。世界遺産に登録されてから10年以上経っているがさほど観光地化は進んでいない。石畳の上に木と土壁の家並みが続き、さびれた街道町の風情が残っている。
ガラタ橋名物のサバサンド。三枚におろしたサバを鉄板で焼き、トマトや玉ねぎなどとともにパンにはさんで食べる。ほかにもムール貝、果物、ナッツ、スナックパン、それにジーパン、靴、時計、おもちゃなどいくつもの露店がひしめきあい、この船着場周辺はいつも縁日状態。街はこれだから面白い。遠くに見えるのが旧市街と新市街を結ぶガラタ橋。
アヤソフィア内の2階回廊へ通じる狭い通路。石畳の表面が磨滅し黒く光っている。創建以来どれだけの人がここを歩いたことか。
2階回廊は大理石の床が傾き、ところどころにうねりもあってかなり不安な状態。イスラム国なだけに、キリスト教に関わる施設の管理にはあまり力が入ってないもよう。
ブルーモスクと高さを競うように対峙して建っているのがアヤソフィア(聖ソフィア寺院)。しかし完成はこちらのほうが千年以上古く西暦537年。しかもドームの高さも直径もこちらのほうが大きい。ギリシャ正教の大本山だったものが後にイスラム教のモスクに改修され、現在は博物館となっている。
ブルーモスクが青のイズニックタイルで装飾されていたのに対し、こちらは金のモザイク。聖母子の背景など黄色く見えている部分はすべて金。おそらくタイルに金泥を塗ったものと思われるが、オイルランプに頼っていた当時、金の輝きは今以上に絶大だったに違いない。この金の使い方は日本の琳派やアールヌーボーを思い起こさせる。
スンネット(割礼)のお祝いの晴れ着を着た幼い兄弟。ちょっと緊張気味?
トルコは厳格なイスラム国ではないのでだいぶ簡略化されているとのことだが、日曜日のモスク周辺では晴れ着姿の子供とその親族らしき一群によく出会う。町中にはスンネット専門の衣装屋(貸衣装か?)もあった。子供の年齢は特に決められてはいないようで10歳過ぎくらいまでに終えればいいらしい。七五三や端午の節句もルーツはこの辺にあるのかもしれない。ブルーモスク内にて。
政教分離が進んでいるトルコではあってもジャミィ(モスク)はいまだに街の中心。小さな田舎町へ行っても必ず一つや二つのモスクがあり、朝の4時半からアザーン(礼拝の呼びかけ)が流れてくる。イスタンブールは大都会なのでそれこそ町中いたるところモスクだらけ。その中でもここスルタン・アハメット・ジャミィ(ブルーモスク)はイスタンブールの象徴ともなっていて、観光客だけでなく礼拝に訪れる人も多い。大ドームの高さは43m、幅27.5m。建造は1616年。
イスタンブールはアジア側とヨーロッパ側の新市街、旧市街の三つの地域に分かれていて、それぞれが海によってへだてられている。橋はかかっているけれど車の渋滞がひどいのでVapor(ヴァプル)と呼ばれる渡し船は今でも重要な市民の足。運賃は1リラ(約80円)。この船が気に入って何度も乗った。夕暮れ時のイスタンブールの街を船の上から眺めるのはいい。遠くに見えるのが新市街。ボスフォラス海峡をヨーロッパ側からアジア側へ渡っているところ。
今回の旅行中に買ったサズという楽器。旧市街の船着場で盲人の演奏家が弾き語りをしているのを聞いて欲しくなってしまった。長さは1メートルほど。弦は7本だが2本、2本、3本、と三つのグループに分かれているので演奏上は3本弦と同じに扱える。3本弦ならギターの半分なのでこれはやさしそうだと思ったのだが、、、。
簡単な解説書を見てもチューニングの方法がたくさんあってなにが何だか分からない。しかもフレットの間隔も不規則で固定されてない。ウーム。かなり手ごわそう。
イスタンブールを飛び立って1時間。上空1万メートルから見る夕焼け。オレンジ色の層が重なり合い、それがいつのまにか青に溶け込んでいく。地球はホントに美しい。
ただいまトルコのカッパドキヤに来ております。ここのインターネットカフェから久しぶりの更新です。イスタンブールに一週間ほど滞在したあと、サフランボルからカッパドキヤ地方のギヨレメ村に来てます。暑いです。写真はアップできません。とりあえず近況報告まで。