焼酎ブームがいまだに続いているようで、どこの酒屋へ行っても日本酒のコーナーは縮小気味。南九州や沖縄の酒が好まれるのはこれも温暖化の影響か?
こうした環境の変化の中で日本酒の世界も少しづつ変化してきているようだ。吟醸、大吟醸といった華やかで贅沢な酒造りから地道に足元を見つめた酒造りへ。ひとことで言えば普通でおいしい酒ということになるが実はこれが難しい。焼き物でも「普通にいいもの」を作るには高度な、しかも幅広い技術の蓄積が必要なのだ。
この「三井の寿」は通常の純米酒ではなく廉価版。米は70%精白でアルコール度数も若干低い。ワイン流に表現すればミディアムボディといったところ。ただ骨格がしっかりしているところはさすが。廉価版といっても手抜きをしていない。値段は二千円弱。価格破壊の嵐の中で名門蔵といえども生き残っていかねばならず。これは相当な企業努力と言えるのではなかろうか。信頼できます。
朝顔は夏の花というイメージがあったがむしろ涼しくなってからのほうが元気がいいようだ。べつに種をまいているわけでもないのに毎年よく咲いてくれる。肌寒い早朝、朝露に濡れた葉の間に見る青と白のグラデーションは格別。
浅草の朝顔市は7月の始めだったはず。それから数えるとほぼ3ヶ月が経っている。朝顔の花期ってこんなに長かったかな、それとも長くなったのか。
9/28追記 このまま温暖化が進めば正月になってもまだ咲いているかもしれない。それもちょっと困るけど。
「床の間に朝顔活けて三が日」
「雪原に朝顔の咲く夢を見る」
先日の台風の大波で湘南海岸の風景がだいぶ変わったようだ。西湘バイパスは大磯から小田原へ向かう下り線で崩落があり今も通行止め。海岸線の砂浜も削られてずいぶん短くなってしまった。今回に限らず湘南海岸の砂浜は年々侵食が進んでいるように思う。川の上流にいくつもダムができ、そのせいで土砂が海まで流れ込まなくなったことが原因かもしれない。そのうち湘南の海はすべてコンクリートブロックで固められることになったりして。想像したくないな。
「大波に鴫(シギ)立つ沢の砂も消え」
「中秋の鴫立つ沢に月満ちて」
コブシの実をはじめて見た。コブシと言えば春に咲く白い花のイメージしかなかったのでこれは予想外。今はまだ薄い膜に覆われているがこれからさらに熟していくと中から真っ赤な実が現れてくるとのこと。なるほど。春には白い花で虫たちを誘い、秋には赤い実で鳥たちを誘うということか。持ちつ持たれつ。うまくできている。何千何万という年月をこうして生き延びてきたんだな。
「夏過ぎてなお熱き血潮のマグノリア」
いつのまにか風呂場にこおろぎが住みついていて暗くなると結構にぎやか。家の外からはリーン、リーンとかリリリリという風情のある鳴き声も聞こえてくるが風呂場のおじさんはリリリというよりはギギギに近いような声でダミがかかっている。それだけ聞いているとうるさいがそれでもいつのまにか耳界(こんな言葉あったっけ?)から消えているから不思議。
「こおろぎも風呂場のエコーで上機嫌」
東京で最近よく目にするのが高層の住宅ビル。ちょっと目を上げたくらいではてっぺんが見えないので首をもう一段反らさないといけない。狭い敷地に建っているためどれも細長く頼りない。
新宿副都心の高層ビルが建ち始めたのは70年代だったと思う。以来日本の高層建築はまだ大地震を経験してはいない。これで本当に大丈夫なのか?まちがっても実験台にはなりたくないな。
「目を上げてまた目を上げて仰ぐ空」
「雑踏に腰を反らせて仰ぐ空」
東京へ出る時は車を使うことが多い。アルコールを飲めないのは不便だが電車に乗る恐怖を思えばたいしたことはない。自殺者の数は毎年3万人以上。人身事故で首都圏の電車が止まることは日常的になってきた。そのうちニュースにすらならなくなるかもしれない。どうしてこれほどまで追いつめられてしまうのだろうか。
「幾千の無辜の魂昇華して中央線は哀しからずや」
写真を撮る時より撮った後の写真を見ながらいろいろ発見することが多いのはどういうわけだろう。近視ということもあるがそれ以上に対象をじっと見つづける意志が足りないのかも。見ているようで見ていない、ただ感じるままに撮っているだけ。
「実物より写真で観察あきめくら」
台風の後、一雨ごとに涼しくなってきた。光の色、風のにおい。待ちに待った季節。
暑いうちはビールしか飲めなかったがここへきてようやく食欲も出てきた。この秋初めての酒は「奥の松」。ぐいのみはつや消しの白磁碗。透明度が高く、光にかざすと指が透けて見える。
「小盃に天地の恵み満ち満ちて」
午後のテレビはどの局もお通夜みたいな番組になっていたのでドキッとした。でもただの辞任だとわかってホッ。以前からもっと最悪なケースを考えていたのだ。おそらくこれで政治の世界には彼の居場所はなくなるだろう。地元に帰って土遊び(焼き物)とか土仕事(田畑)をはじめられてはいかが?
写真は参議院議員選挙まえのテレビコマーシャル。
9/13追記
ブッシュ、コイズミ、アベ、、、。おごれる者久しからず。これが愚かな時代の終わりの始まり、と思いたいが。
「ならずものブッシュコイズミゆるすまじ」 トーシロー
日陰にばかり咲いていて普段は目立たないが、早朝や夕方などたまに太陽のスポットライトを浴びると赤い小さな花穂が輝く。
「背伸びして木漏れ日に舞う水引草」 トーシロー
台風の後、あきらかに風向きが変わったようだ。季節の変わり目。今日はツクツクボウシが鳴いていた。今年初めてかな?
写真は丹沢の水場にて。
「岩肌にこぼれる雫セミの声」 唐四郎(トーシロー)
一応17文字になりました。
「岩肌に雫こぼれてセミの声」のほうが良かったか?(9/11追記)
バッククミラーに映る夕焼け空。車を止めてカメラを取り出しパシャ。見れば富士山から箱根の連山まで見事なシルエットで浮かんでいる。富士山があるとどうしても画面の中心が決まってしまうが、次はパノラマで撮ってみよう。
11時を過ぎて風雨共に強くなってきた。動きの遅い台風は始末が悪い。予報ではこの状態がまだ半日くらい続きそう。何事もなく無事に通り過ぎてくれるといいが。
台風前の静けさ。風もなく梅雨に逆もどりしたように蒸し暑い。明日の今ごろは暴風雨か、それとも台風一過の星空か。できればスポーツカー並みの速さでさっさと通り過ぎて欲しいものだが。
硬い岩盤の上を流れる川。水面をよく見るとまるで地形図のように細かい凹凸ができている。あるいはこの褶曲がそのまま岩盤のようでもある。山梨県上野原市西原(さいはら)地区を流れる鶴川にて。