Nikon D800 + Sigma fisheye 15mm/f2.8
畳の上に白黒の玉石のような花器を置き、それにススキ。畳の上が玉石の庭になった。大磯城山公園内の書院にて。11月1日まで。こちら
4月の初めから3ヶ所連続で個展、二人展。かなり無理なスケジュールだったけど何とか無事に終えることができた。やればできるものだ。そしてやって良かった。
ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。
古代(古墳時代)の器についてずっと疑問に思っていたのが中央部の段差。蓋ものというわけでもないのにどうしてこんな段差があるのか分からなかったのだ。
ところが今日、大磯町の郷土資料館でじっくり観察しているうちに瞬間的にひらめくものがあった。古代の人々の細やかな感覚、造形的な美学、さらには製作技術やそのプロセスまでもがありありと目に浮かんだ。
こんど実際に製作してそれを証明してみよう。
唐時代の女人俑。高さ約32センチ。倣品、、、とは思うけれども、発しているオーラは尋常ではない。しばらく手元に置いてその正体を見極めてやろうと思うのだ。
鴫立庵にはずいぶん昔の作品も展示した。これは土の塊を彫ったもので高さは30センチほど。中に小さな電球を入れて階段を上から照らした。このシリーズをもう一度再開してもいいかな。今ならもっとうまく作れそうだし、、、たぶん。
「心なき 身にもあわれは しられけり 鴫たつ沢の 秋の夕暮れ」 西行
この歌にちなんだ庵が大磯町にあって鴫立庵と呼ばれている。ここで今日から24日(土)まで作品を展示することになった。旧作のオブジェ作品ばかり。開場時間は午前9時から午後4時まで。入場料100円かかります。
夜中も断続的に降り続いていた雨が明け方になってようやく止んだ。白みはじめた空はもやがかかって幻想的。
入り口近くのミントの葉がいつのまにかこんなに大きくなっている。搬入前の徹夜明けのひととき。
個展搬入無事終了。土や釉薬の原料にトラブルが続出して右往左往してしまったけれども何とかここまでたどり着くことができた。このまま一週間くらい寝たいところだけど明日は結婚式出席のため福岡。ゆっくり桜を見る時間もなかったな。
三島大社の桜は盛りを過ぎたところ。強風で飛ばされた花びらが池の水面を白くしていた。
Lumix G1 + Canon FD50mm/f1.4 + Silkypix
♪ 思いどうりにはならねえな
近づいてるとも思えない、、、♪
鈴木常吉「石」
かなりひねってあるのでわかりにくいが元歌はどうやらボブ・ディランの「I shall be released」のようだ。さらに日本語の訳詞は友部正人風でもある。「深夜食堂」の中でも使われていた。最近この人の歌が頭から離れない。試聴はこちら。
Lumix G1 + Kodak Ektar 44mm/f3.5 + Silkypix
個展初日。展示された焼き物を見ているとこの冬の寒さがよみがえる。凍える手、白い息、こわばる肩。もっと穏やかなものづくりを目指したいものだけど、、、
Lumix G1 + Kodak Ektar 44mm/f3.5 + Silkypix
今回の真鶴での個展会期が延長されました。当初は10日までの予定でしたが17日まで延長されることになりました。詳しくはEXHIBITION
今年の冬は寒くて梅の名所、湯河原の幕山もまだ蕾とか。今日の南風でこれから一気に開花すると思われます。お花見を兼ねてどうぞお出かけください。
白磁の写真を見ていたら「祭る」という言葉が頭に浮かんだ。花を祭る。食物を祭る。ことばの力というのはすごい。自分のやっていることがこの一言に集約されているような気がした。つまりこれらの白磁の焼き物はすべて「祭る器」なんじゃないか?
今年最後に焼いた酒杯はさかずき形。最近はこの形が好みなのだ。今回は最上級の白磁土を荒めに調整しざっくりと仕上げてみた。紙のように薄く透き通った白磁。それでいて表面には自然の荒々しさが残る。もちろん無釉焼きしめ。楷・行・草でいえば行くらい。普段使いから正月の屠蘇などにも良さそう。と、自画自賛の年の暮れ。
酒は真澄の純米吟醸あらばしり。うれしい頂き物です。
焼き物における釉薬の役割は二つあって、一つは土表面の凹凸をならし耐久性を高め同時に汚れが付きにくくするという物理的側面。二つ目は表面を装飾する美学的役割。
焼き物を作ったことのある人なら分かってもらえると思うけれども、釉薬を使わずにこの二つの条件を満たすというのは非常に難しくて陶器で成功しているのは備前と朱泥の急須くらい。どちらも土色が濃い。磁器で無釉焼き締めができなかったのは白い地肌に汚れが付きやすく実用にならなかったから。
無釉だと作業の手間が省けて楽だろうと思われがちだが実際は逆。シルクのようなすべすべの地肌、しかも汚れが付かず純白で美しいもの。これを実現するまで10年以上かかった。
はじめは釉薬を使ってつや消しの地肌を作っていたけれどもこの方法では歩留まりが余りに悪すぎて断念。釉薬を使わず無釉で実現できないかと考えてはじめてからは全国の磁器土を取り寄せ色、透明度、焼成温度等のデータをとった。
今では瀬戸、美濃、京都、有田の土を使い、製作のプロセスを数種類組み合わせて作るもの、用途、大きさなどによってそれぞれ使い分けている。(技法はいずれ公開します)。はっきり言って通常の磁器と比べて手間ひま、コストともに数倍はかかってます。
これは今回初めての試み。円錐状の大理石を逆さにしてくり抜いたような雰囲気の花器に山紅葉を植えてみた。幹も枝もまだか細くて頼りないけれどもその存在感は強烈。生きて成長するものの強さ。これは主役を取られてしまったかも。
古代から貨幣の素材は金、銀、銅などの金属が多いけれども焼き物の貨幣はなかったんだろうかと思って探してみたらなんと日本にあった。太平洋戦争末期に金属類が不足したため瀬戸などで作られたとのこと(実際に流通はしなかったようだ)。
粘土に月の印を押しただけのもの。これも考えようによってはコインといえなくもない、月貨?(ただ、実際にコインと言ったら法律上問題が出てくる可能性があるので、ボタンとかアクセサリーと呼ぶ)。
で、たとえばこれを一個500円で売るということは1月貨=500日本円貨の比率で交換するということでもある。これはボタンに限らず湯飲みでも花器でも同じことが言える。展覧会会期中は固定相場制、会期後は変動相場制。今後、高くなるか安くなるかは日本円(日本国)との強さ比べでもあるのだな。
色といい形といい質感といい、何かに似てるなあ、と思っていたらそうだ和蝋燭にこんなのがあったような、、、。しかし安定悪そうだなあ。地震活動期だというのによくこんなもの作るなあ。地震がきたら真っ先に倒れそうだなあ。蝋燭立てが必要かもなあ。一応これ花器なんだけどなあ。
来週月曜日(10日)から銀座のKajimaで展覧会です。ここは何年ぶりかなあ。EXHIBITION
shopコーナーをほぼ十年ぶりにリニューアルしました。思い立ったが吉日!とばかり突貫工事で作ったのであちこち不備もありますがこれから少しずつ改良していくつもりです。よろしくお引き立てくださいませ。
otukimi shop