石楠花
突然重い荷物を背負わされたような、そんな沈んだ気分がなかなか晴れない。
戦争という異常な事態が引き起こす悪意の連鎖は、同時代を生きるすべての者に降りかかる。そればかりか、今後何世代にも渡って暗い影を落としていくことになるだろう。
平穏な自分の日常、しかし同じ時刻、砂漠では殺し合いが続いているという現実。
この二つの現実の中で、まったく途方に暮れているような毎日だ。
2003/3/31
☆
しだれ桜
朝から頭が重い。久しぶりに風邪かな。
近くのお寺の境内にあるしだれ桜が咲き出した。夜になるとライトアップまでしてくれるので夜桜見物にいい。ただし残念ながら車道のそばなので花見には不向き。今年は花芽のつき方が少なく、ちょっと元気がないように見えるのが気がかり。
2003/3/27
☆
木蓮
桜より一足先に春を告げる辛夷(こぶし)や木蓮。しかし普段は離れた所から眺めるだけで、これほど間近に見たことはなかった。人家の庭先の2メートルほどの幼木。花の形はたしかに蓮に似ている。
「けわしくも刻むこころの峯々に いま咲きそむるマグノリアかも」宮澤賢治
2003/3/26
☆
早咲き
他の桜はまだ蕾も固いのに、中には早咲きの桜もある。ここは横浜の山手。元町から坂を上ったところにある元イタリア外交官の家。毎年ここで教室の作品展を開いていて、今日はその搬入だった。雨に降られたけれども午前中で無事完了。
戦争が始まってからウイルスメールが増えた。用心用心。
2003/3/25
☆
新芽
ここ数日すっかり暖かくなって薪ストーブを焚くこともなくなった。近くの雑木林では木々の新芽がいっせいにふくらんでいる。気がつけばもう3月末。桜にはまだもう少し。
2003/3/24
☆
ピンポイント
ブッシュJr.は初めからサダムを殺害するつもりでピンポイントの爆撃をやったという。法も裁判もなく、いきなり邪魔者は消せ。まるでギャング映画。
というか、やり方はかのオウム事件を思い出す。自分たちに都合の悪い人たちを次々に襲う。救済のため、あるいは解放のためなどと、言っていることもなにやら同じ。個人テロの次は無差別テロか。
いずれ必ず歴史の審判を受けることになるだろう。それを支持している国の政府には麻原を裁く資格などあるかな?
2003/3/23
☆
ボイコット
テレビを見ない、というのは言いかえれば「テレビボイコット」とも言える(別に言わなくてもいいか?)。
加害者側からの映像を流すのは、流す方も加害者と同罪ではないだろうか。見る側は知らぬ間に戦争プロパガンダに乗せられ、いつのまにか加害者と同じ意識を共有するまでになってしまう。
サッカーが見られないのはつらいが戦争の映像などテレビで見るべきではないと思っている。
2003/3/22
☆
春4
1ヶ月前にテレビを捨てた。いやな映像を見たくなかったからだ。
残念ながら予感はあたり。本当に戦争が始まってしまった。
2003/3/20
☆
春3
今夜も熱い風呂に入ることが出来た。ストーブを焚いた温かい部屋で、酒もあり、食べ物もあり、静かに眠るところもある。
窓をあければ雲一つない夜空に満月が輝いている。数時間後にはこの同じ月明かりの下で一体何が始まるんだろうか。
2003/3/19
☆
春2
「戦争でしか解決できない問題」などありえない。「戦争で解決したいと思っている人がいる問題」があるだけである。(田中 宇)
2003/3/18
☆
春?
どうやら重苦しい季節になりそうな気配。
2003/3/17
☆
ダイヤモンド
新しい赤土をとったのでロクロを挽いてみた。きめが細かく挽きやすいし土色もいい。これで焼き色が良ければこれからメインにして使うことになるかも。
夕方、婚約中のN君とHさんが来訪。お土産の新潟の酒を飲みながらダイヤモンドの婚約指輪を見せてもらった。しかし寝不足の上、酒の酔いもありなかなか焦点が合わず。ただ青白く輝く鋭い光は確認できた。
カミュは日記の中で、作家にとって作品とはダイヤモンドの一つのカット面のようなものがいいと書いていた。石の中に取り込まれた光はあらゆるカット面で屈折し閉じ込められ、ある時一つの切り口から一気に放射される。無数の切り口の中の一つの光。しかしその光はダイヤモンド全体を通って出てくるわけだ。作品造りはこうありたい。
2003/3/16
☆
椿
睡眠が細切れなので頭も体もすっきりしない。その上こんな日に限って電話セールスによく起こされる。
夜になって、近くのスーパーへ歩いて買い物に出た。途中の神社の脇の椿が満開だった。しかしデジカメの電池が乏しく、フラッシュは一回しかたけず。カメラまでくたびれている。
2003/3/15
☆
有孔体
作品の内側を乾かすために中に電球を入れてみた。下から見るとコンクリートの壁のよう。そういえば昔、有孔体?とか言っている建築家がいた。本も買ったはずなのに結局積読(積んどく)だったナ。
今夜から2週間ばかり窯焼きの連続。不規則な生活が当分続く。
2003/3/12
☆
神が味方
CDの箱を整理していたらディランの「アンプラグド」が出てきた。湾岸戦争の3年後、94年に録音されたものだが、あらためて曲を見て驚いた。まさしく現在の情勢を予見して作られたようなアルバムだ。
1.トゥームストーン(墓石)ブルース
2.シューティング・スター
3.見張塔からずっと
4.時代は変わる
5.ジョン・ブラウン
6.廃墟の街
7.雨の日の女
8.ラブ・マイナス・ゼロ/ノー・リミット
9.ディグニティ(尊厳)
10.天国への扉
11.ライク・ア・ローリング・ストーン
12.神が味方
墓石から出発し、流れ星となった友を歌う。戦争となればジョン・ブラウンのような悲劇が双方に繰り返されるだろう。尊厳をなくした人の住む街は廃墟と同じ。守るべき尊厳って。命をかけて守るべき尊厳というのが双方にあるのだろうか。
そして最後は「神が味方」。戦争には神様が付き物。こちらに神様がついていれば相手にだって神様がついている。しかしもはや神話の時代ではない。ブッシュJr.にもサダムにも神はついていない。神の助けをかりなくても戦争が出来る時代だ。
曲の最後の歌詞は「もし神が我々についているのなら、次の戦争を止めるだろう。」
2003/3/11
☆
放射
ストーブ用の薪がそろそろなくなってきた。でも余裕がないので当分薪集めには行けず。しばらく灯油でしのぐか。
材料と道具が足りなくなったので急遽厚木の材料店まで出かけた。高層の放射状の雲がすごくて、夕暮れ時はご覧のとおり。出所は夕日の方角西。画面左が西。
2003/3/10
☆
PACE
仕事も雑用もやることは山ほどあるのになかなか片付かない。焦ると生活のリズムも狂ってしまうようで、最近は昼と夜が逆転していた。日曜日は休養日。明るいうちから風呂に入り、久しぶりにさっぱりした。
PACE(パーツェと読むのかな?)の虹色の旗はKさん母娘のイタリア土産。平和という意味らしい。土ぼこりにまみれた仕事場の中がいっぺんに明るくなった。旗は日常の見なれた風景に活を入れてくれる小道具でもある。
元気良くPACE。イラクにも工房にも。
2003/3/9
☆
静かな水
今年度の芸術選奨の文学部門は尊敬する石牟礼道子さんの詩集「はにかみの国」。そしてなんと正木ゆう子さんの句集「静かな水」。
ウーン、まいったな。いや、まいることもないけど、実は正木さんは高校の同級生なのだ。彼女の句は清水哲男氏の「増殖する俳句歳時記」にもよく登場する。奇をてらわず平易な言葉で詠まれた句は親しみやすい。だがその内には細やかな観察眼による新鮮な発見が秘められている。
「俳句は遊び」と陶四郎先生は言っていた。確かにそう思う。遊びごころという気持の余裕が大事。しかしまた一方で17文字の中に感覚表現の極地をめざす人がいるというのもすばらしい。
とにかく大拍手。そして陰ながら祝杯を。
2003/3/7
☆
古楽
天気の変わりかたが目まぐるしい。今日はまた冷たい雨。薪ストーブを焚いて一日中仕事場にかんずめ。
寒い朝にはヨーロッパの古楽が聴きたくなる。10年ほど前にはかなり集中して聴いていた時期がある。
秋葉原の輸入CDショップへ行き、何の前知識もなく、ジャケットのデザインやほんのわずかな言葉を手がかりに選んだ。モンテベルディ、クープラン、ジョスカン・デ・プレ、、、。そんな作曲家の名前もたいていは曲を聴いてから覚えた。
輸入CDを選ぶには一種の嗅覚が必要だ。これはインド、アフリカなどの民族音楽のCD探しでだいぶ鍛えられた。ヨーロッパの古楽も「クラシック」としてではなく、西欧の民族(民俗)音楽として聴いているつもりなので同じ嗅覚が通用する。これまで大きなハズレというのはなかったように思う。
2003/3/6
☆
灰
暗くなってからちょっと買い物に外へ出たら、あちこちから梅の香りが漂ってきた。暗闇の中では嗅覚が鋭敏になっているようだ。昼間だとこれほど感じることはないと思う。
新しい灰を取ったのでテストピースを焼いた。ナラの灰だが鉄分はほどほど。アクが多いのが気になるがなんとか使えそう。
2003/3/5
☆
三井の寿
新たな出会いもあれば懐かしい人とのうれしい再会もある。インターネットの有りがたみ。先日も音信不通になっていた友人から10年ぶりにメールが来た。ホームページ作りが無駄ではないと思えてくる時でもある。
「三井(みい)の寿」は福岡の酒。たっぷりとして柔らかな味。九州の酒はどれもまろやか。これも好み。
本焼きで朝まで起きているのでゆっくりやりたい。
2003/3/4
☆
STOP
ブッシュJr.は本気でイラクを攻撃するつもりらしい。21世紀がこんな愚かな時代になるとは思わなかった。歴史が百年も逆戻りしたようだ。
今どちらの言い分が正しいか、なんていくら議論しても意味はない。どちらも似たもの同士(双方の民衆のことではなく、両国の政権が)。正当性のある正義の戦争などというのは幻想だ。いかなる戦争ももはや神話化されることはない。
攻撃が始まれば真っ先に犠牲となるのは民衆。それとは逆に、遂行する側の権力はさらに強大化し、利をもくろむ人々は肥え太る。
この危機に対して何も出来ない無力な自分を感じるけれども、少なくとも「この戦争への支持も賛成もしない」という意志表示はしておく。http://www.eforum.jp/shihou/iken-moushiire1.html
2003/3/3
☆
快晴
昨日とはうってかわって暖かい春のような一日。窓を開けたら風が心地よかった。
天気がいいのに昼間は外出できず。夕方近くになって荷物を出す用がありようやく外に出たが日没には間に合わず。西の空にわずかに赤みが残っているだけだった。
2003/3/2
☆
六筒
香台の足の部分に6個の穴をあけたら何かに似ている。そう、麻雀牌の六筒(ローピン)だ。
麻雀は学生時代に覚えたけれども、お遊び程度で全然上達しなかった。ゲームとしては好きだが阿佐田哲也的な修羅場の賭け事とは無縁。点数の計算さえとうとう分からずじまい。
2003/3/1
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