homeotukimi 2003年7月


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山吹

 7月も今日で終わり。からりと気持ちよく晴れた日はとうとう一日もなかったような気がする。8月にはいれば夏らしくなってくれるのだろうか。
 春に咲いた山吹がまた花を咲かせている。体内時計がおかしくなったのか、それとも元気を持てあましているのか。花の数は少ないけれども、夕闇の中で黄金色がくっきりと浮かんで見える。

2003/7/31




冷酒

 台所の排水が詰まってしまってレンジのまわりまで水浸し。あー憂鬱。半日がかりでようやく修復できたけど、くーたびれたー。あとはなにもやる気せず。
 夏はビール(発泡酒も)のはずなのに、こう寒くては調子もでない。日本酒は久しぶりだけれども、やっぱりいい。

2003/7/30




貝殻文

 このごろ毎日聴いているのはニキル・バナルジーとディラン。妙な組み合わせだけれども習慣になってしまっている。聴くたびに新たな発見などもあり、まだまだ続きそう。この夏のテーマ・ミュージックかな。
 写真は径が8センチほどの小さな碗、というかぐい飲み。裏面に貝殻を押しつけて文様としてみた。口のまわりだけ釉薬をかけて焼き締める予定。

2003/7/29




扁壺

 堺で見てきた須恵器の扁壺がずっと気になっていたので、自分でも作ってみた。土の乾き具合にさえ気を付ければ、組み立てるのはそれほど難しくない。ただ、これをどんな風に焼くか、これが問題だ。

2003/7/26




干物

 カマスが手に入ったので干物を作った。カマスといっても小型の水カマスなので開かずにワタだけ出して干す。しかし曇り空の下では十分には干しきれず、結局最後は冷風扇にあてて乾かすことになってしまった。夏なので塩加減は濃いめ。でも味には十二分に満足。

2003/7/25




禅味

 上方(関西)にあって関東にないもの。塩昆布もその一つ。これは京都、大徳寺門前の「一休こんぶ」で買ってきた「禅味」。京都土産は大徳寺納豆を定番にしているのだが、ついでに買ってきたこの禅味も意外と好評。たしかにお粥には相性抜群。夜はこうして酒のつまみにもなる。

2003/7/24




一年前

 夜が更けて、気温は現在21度。こんなに寒い夏は今まで覚えがない。写真は去年の7月に撮ったもの。こんな青空さえ今年に入ってからはほとんど見ていない。これは異常気象でなくてなんだろう。
 東北の米作りはすでに赤信号のはず。これから生活にもじわじわと影響が出てくるだろう。

2003/7/22




ライティング

 関西からの帰り、久しぶりに中央高速を走ったら道路の照明がだいぶ変わったような気がした。これは確か大月付近のトンネルの中。かなたの一点に向けて意識が吸い込まれるような錯覚を覚えた。このライティングはちょっと危ないんではないかなあ。

2003/7/20




 苔は好きなのに残念ながら苔の名前は一つも知らなかった。ここの庭には2種類の苔が生えていて、写真の苔は検索で調べたらどうやら「コスギゴケ」という名前らしい。ふっくらとしたかたまりになっていて色も形もいい。庭なんてものがあればこんな苔を全面に植えてみたい。

2003/7/19




廊下

 奥の庭に面した廊下の角。かなり厚い杉板?を使ってあるようで、上を歩いても音もせず、安心感がある。木目の出方からするとかなりの年数が経っているはずだが、狂いや収縮による隙間もほとんどない。
 さらに驚いたことには節が一つもないこと。それも3間以上?の長さの一枚板。いい材料が使われている。

2003/7/18




屋根裏

 2階部分は屋根裏となっている。屋根裏といっても倉庫のように広く、それこそバレーボールでもできそうなくらいだ。驚いたのは床が土間だったこと。ずいぶん重い天井のはずだが、これはどうやら防火対策のためだったらしい。
 もう一つ不思議なのが屋根を支える構造(上の写真)。これは広い屋根の中心部分を下から二重に支える構造なのではないかと予想してみたが、真偽はどうなのだろう。

2003/7/17




高士2

  

 宴の場を離れて去っていく一人の老人。そして彼を見送る男。片手を上げて踊っているようでもあり、何かを叫んでいるようでもある。
 老人は後ろを振り返ることもなく、前方の道を見つめたまま。すでに笑顔は消えている。これからまた孤独な生活に戻るのか、それともさらに遠いところまで旅立っていくのか。
 人はみな一人。この老人が絵を奥行きのあるものにしている。

2003/7/16




高士

  

 高士(こうし)というのは俗世を離れて暮らす隠君子というほどの意味らしい。仙人ではなく、あくまでも地上の人。要するに遊び人?かな。奥の襖にさらりと描かれているこの絵にはたちまち惹きこまれてしまった。
 甕から酒を酌み歌い踊る人々。その横では太鼓や笛が鳴っている。人物の動きや表情が生きていて、今にも音や笑い声が聞こえてきそうだし、酒の匂いまで漂ってきそうだ。

2003/7/15




たたき

 三和土(たたき)は土に石灰とにがりを加えて作るらしいが、この家の土間はそれに砂がだいぶ入れてあるようだ。梅雨の最中なのにコンクリートのようにからりと乾いている。風通しのいい家の構造や天井の高さと相まって蒸し暑い夏の日中でも屋内はひんやりと涼しい。
 現代の高気密、高断熱の住宅とは対極的な伝統的日本家屋。人間の体にとって本当に快適なのはどちらなのだろうか。

2003/7/14




かまど

 久しぶりに竈(かまど)を見た。土を固めて作ってあるのが普通だが、ここのは煉瓦積みで煙突まで付いているハイカラかまど。しかもこの煉瓦は現代のものとはサイズが違うので、もしかしたら特注かもしれない。
 鍋の大きさは蕎麦を茹でるのにぴったり。強力な火力で一気に茹で上げることができそうだ。実際の作業を考えると中腰になる時間が長くつらいかもしれないが、柄の長いザルを使えば何とかなるだろう。厨房のアイデアとして要チェック。

2003/7/13




 堺にある旧家の長屋門を高い位置から撮ってみた。丸瓦と平瓦を組み合わせた本瓦葺きは重厚でありながらも繊細でリズミカル。歳月を経た燻し瓦の濃淡が美しい。
 瓦の燻しには昔から松が使われていて(現在は石油燃料)、これは墨の原料と同じもの。いうなれば瓦屋根は一種の水墨画でもある。

2003/7/12




かや

 ぎりぎりのところで開発から免れたかやの大木。堺市内にある広大な屋敷の跡に残っている。このすぐ下には柵が作られ手前は新しい住宅地。屋敷跡が広すぎてこの部分だけ残されたらしい。
 法律や経済という目に見えないものへの人間の信仰が、気がつけば目に見える現実の風景をすべて作り上げている。一木一草といえど法律と経済から逃れられない。

2003/7/11




須恵器

 須恵器生産は大陸から伝わってきた当時のハイテク産業で、きめの細かい良質の粘土を使い強還元で1200度近い温度で焼いている。
 窯は急傾斜地の斜面にトンネルのような穴を掘ったもので、これは窯と言うよりは煙突に近い。熱をため込むことができないため効率は悪く、窯焼きは物量作戦、つまり膨大な燃料が必要だったはず。最盛期には一帯の山はほとんど禿げ山になっていたことだろう。
 昔も今も焼き物はエネルギー大量消費産業。環境への負荷も甚大。

2003/7/10




陶器

 堺には陶器という地名がある。陶器川に陶器小学校。地名のとおり、このあたり一帯は古代須恵器の一大産地。隣接する泉北ニュータウンの開発時には窯跡や陶片が数多く出土したらしい。
 このあたりの土の色は瀬戸、常滑、信楽などの陶産地に共通するもの。関東にはない。

2003/7/9




大阪

 関西での三日目はDEEPな大阪の夜。ところはかの西成区。阪神タイガースの旗が揺れる狭いアーケードの街。右に左に一杯飲み屋ののれんが並び、いよいよ岡林信康的世界(30年前の)に迷い込んだかとおもわれた。ホームレスのオッチャンたちは早くも寝る支度。その段ボールの間をすり抜けすり抜け、たどり着いたは一枚の壁。と、その壁がガラリと開き、中に入れば全くの異空間。
 料理もサービスも家庭的で落ち着けるし、酒にも満足。ただし看板も何もないので初めての人は無理。ガイドが要ります。(街の描写は誇張して書いてますので誤解のないように)

2003/7/8




ハンク・ウイリアムス

 ピッチャーばかり五人集まっても野球はできない。つまりチームにはならない。でもそれはそれでいい。なにもチームプレイを見に来たわけではないのだから。一人一人の持ち時間の中でそれぞれ自分の歌を表現してくれればいい。
 ただ欲を言えば互いの境界が少しずつ溶け出してもいいころではないかとも思う。七夕コンサートは今年で31年目。互いの歌を共に楽しむ。そんな気持ちの余裕を目に見える形で表現してもらえればさらにうれしい。
 豊田勇造の歌に古川豪がバンジョーで参加した「ハンク・ウイリアムスを聴きながら」はこの日のハイライトに思えた。

2003/7/7




 今年で31回目をむかえる七夕コンサート。6日の出演順はひがしのひとし、古川豪、三浦久、中山ラビ、豊田勇造。
 歌い手というのは野球でいえばピッチャーのようなもの。自分の声一つで聴衆に向かう。今回五人の歌い手たちの歌を聴きながら、直球あり変化球あり、それぞれ個性は違うけれども共通して感じたのは声の魅力。やはり始めに声ありきなのだ。
 この五人の歌うたいたちは恵まれていると思う。世の中には声に恵まれない人のほうがはるかに多い。ということはその声は歌い手一人の財産ではなく、そのうたを聴くすべての人の財産でもある、、、なんてことも言えるのかな。とにかくうらやましい。

2003/7/6




キチュリ

 インドのダル豆は日本ではレンズ豆と呼ぶらしい。形は確かにレンズのように平べったい。こくがあるので、塩とバター、それにターメリック(うこん)を少々入れて煮るだけで、おいしいダルスープができる。だしはいらない。
 福島でレンズ豆をもらってきたので、今日はそれに米を加えて、インド風お粥、キチュリを作ってみた。簡単でおいしい。しかもウコンが入っているので体にもいい。作り方はこちら

2003/7/5




等身大

 注文の品ばかり作っていると、どうも気持ちがマンネリになって停滞してしまう。ありがたくはあるけれど、ま、いろいろ考えてしまう。
 土を延ばせるだけ延ばしてみると自分の腕の長さの板ができる。こういう等身大の物作りならストレスはたまらない。

2003/7/4




三岳

 体質のせいか酒は醸造酒(日本酒、ワイン、ビールなど)を飲むことが多いのだが、蒸留酒も嫌いではない(ただし量は飲めないが)。
 この三岳(みたけ)は屋久島の焼酎で原料はサツマイモ。イラストレーターを目指しているT君の鹿児島土産。地酒ならぬ地焼酎というべきか。まろやかでなかなかうまい。度数は25度と高くないので、そのままストレートでもいいし、もちろんお湯で割ってもいい。
 もう一つ最近発見したのは、焼酎にも焼き締めの器が合うということ。写真の器は焼き締めのぐい飲みだけれども味がさらにまろやかになる(ような気がする)。お湯割りも焼き締めのビールグラスのほうが、ガラスのコップで飲むよりおいしいようだ。不思議。

2003/7/2




睡蓮

 人からもらったミニスイレン。今年で2年目になるがまだ花を見たことがない。養分が足りないのか育て方が悪いのか。去年は蚊の繁殖池になっていたがどうしたわけか今年はいない。まだ気温が低いのかな。
 鉢は昔松本の骨董屋で買ってきた瀬戸のこね鉢。ろくろ挽きの量産ものだが灰釉の調子がいい。透明で光沢があり、しかも貫入がない。こういう単純な釉が意外と難しいのだ。

2003/7/1

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