見果てぬ海

 故郷、ふるさとという言葉を久しぶりに聞いた。戦後の高度経済成長期からバブルの時代を経るなかで山も川もコンクリートで固められ風景は一変した。いま日本の中でふるさとと呼べるところが果たしてどれだけ残っているだろうか。ただ、それはあくまで地上の話。海は今も変わらずそこにある。
 ふるさとの海に向ひて言ふことなしふるさとの海はありがたきかな
 田川基成写真展 新宿ニコンサロン 11月30日まで

大日堂2

 秦野市蓑毛にある大日堂。ここへ来たのは何十年ぶりだろう。20代のころ50CCのスーパーカブでここを通ってヤビツ峠を越え、津久井のほうまで走ったことがある。ちょっとした冒険だったな。
 久しぶりに来てみると鄙びた景色はさほど変わってないようだ。静かで空気が澄んでいて水もおいしい。高台で日当たりがよく遠くには相模湾も見える。日本中探しても住むのにこれ以上の環境はないかもしれない。
 ただ、気がかりは第二東名。いまはまだ工事中だけど開通したらこの静けさは失われるだろうな。それとこの切り株。大日堂の仁王門の前にそびえていた二本のイチョウの木が切られている。切り株を見れば芯が枯れているようには見えない。何があったんだろう。2013年撮影のグーグルマップに当時の姿が写っていた。こちら

雅楽の奈良を歩く

DSC_8323-s
 
 3月1日、今日から東大寺二月堂でお水取りの本行が始まる。古い記憶をたどれば今から28年前の1988年に一度だけ見に行ったことがある。日吉館を深夜に起き出して歩いていったな。見学者は十数人ほどで寒かった。今では交通規制が布かれるほどの混雑だとか。隔世の感がある。
 このときはオリンパスのXA4というコンパクトカメラを携行していて暗闇の中の修行僧の動きを撮影していた。余裕ができたらネガを探してみよう。

 「雅楽の奈良を歩く」は雅楽という切り口で奈良の魅力を伝えてくれるガイドブック。雅楽の歴史やさまざまな楽器から往時の音楽をしのびつつ奈良を歩く、という楽しみ。発行はパオ出版。毎度お世話になってます。刺激ももらってます。
 奈良はいつでも行きたいけど今度機会があれば12月の春日大社「若宮おん祭り」のころに行ってみたい。もちろんこの本を持って。