見果てぬ海

 故郷、ふるさとという言葉を久しぶりに聞いた。戦後の高度経済成長期からバブルの時代を経るなかで山も川もコンクリートで固められ風景は一変した。いま日本の中でふるさとと呼べるところが果たしてどれだけ残っているだろうか。ただ、それはあくまで地上の話。海は今も変わらずそこにある。
 ふるさとの海に向ひて言ふことなしふるさとの海はありがたきかな
 田川基成写真展 新宿ニコンサロン 11月30日まで