パロマレス

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 古本屋でふと目に留まった一冊。逢坂剛といえば「カディスの赤い星」以来だ。梅雨のうっとうしい時期に長編の読み物が欲しいなと思っていたところだったのでちょうど良かった。
 時は冷戦期の1966年1月、スペイン南部の小さな村パルマレス上空でアメリカ空軍のB-52爆撃機が空中給油機と衝突墜落し搭載していた4基の水素爆弾が地上に落下するという事故から始まる。これってフィクションではなく本当に起きた事故を題材にしてるんだな。検索したらいくつも出てきた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/パロマレス米軍機墜落事故
https://youtu.be/FgWCvpm_2rE
 幸いなことに核爆発は起きなかったけれども格納容器が破損して中の核物質(プルトニウム)が周辺に飛散した。

 遠いスペインの事故と思って安心してはいけない。日本の近海にも水爆が一個沈んでいる。これも検索してみたけど1965年12月、場所は喜界島の沖。米空母タイコンデロガから戦闘機が一機、水爆を積んだまま海中に落下。水深が5千メートルもあるため捜索もされずそのままになっている。水圧と腐食で容器がいつまでもつのかな。
https://ja.wikipedia.org/wiki/タイコンデロガ_(空母)
 冷戦が終わったとはいえ核の時代は続いている。


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